子どもたちの気持ちをそっと見守る
親指ピアノの音


編集の最終段階まで、実は音楽のない映画として作られてきた「チョコラ!」。しかし、アフリカの民俗楽器「親指ピアノ」との幸福な出会いが、この映画に新たな輝きを加えてくれました。
話の発端は小林茂監督が撮影中に休暇で訪れたザンジバル島。ちょうど誕生日を迎えた監督の為に、宿のご主人が特別に呼んでくれたミュージシャンが、タンザニアの親指ピアノ「リンバ」の奏者でした。すぐにその繊細かつパンチのある音の虜になった小林監督、帰国後も奏者から譲ってもらったリンバを我流でつま弾きながら、アフリカに思いをはせるようになります。編集の最終段階、音楽の有無を決断する瞬間になって、小林監督から出てきた案がこのリンバの音でした。日本で奏者が見つからなければ最後には自分が弾く、と言いながら。そして幸運にも、このリンバの奏法をタンザニアの大家の下で修得し、プロの親指ピアノ奏者として世界的に活躍するミュージシャン・サカキマンゴー氏の全面的な協力を得られることとなります。必死に生きる子どもたちをそっと近くで見守っているような、そんな美しくも淡く切ない音楽が映画全編を鮮やかに彩っています。


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