ドキュメンタリー監督の小林茂さんによる新作「チョコラ!」を見た時、この感覚を思い出した。ナイロビから四五キロほど離れた人口十万の地方都市ティカに暮らすストリート・チルドレンと、彼らを支援するNGOを五か月にわたって取材した作品である。これを見るとアフリカの子どもたちに対して持っていた像はあっというまにくずれる。悲惨な現実のなかでも失われない純真な心......などかけらもない。画面に出てくる子どもの多くはシンナー中毒である。食事中でさえ吸っている。嘘もつけば、盗みもする。仲間を殴る。


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