航海・採集日誌

江之浦海中映像撮影
生物調査

◆実施日
2018年6月19日
◆場所
神奈川県 逗子沖 オオタカ根
◆目的
相模湾海中映像撮影・生物調査
◆出張者
鈴木、冨永



2018/06/01 逗子沖海中映像撮影・生物調査
冨永


みなさんこんにちは。
今年から潜水班が発足し、相模湾の各地に潜って潜水撮影を行なっています。
詳しくは、樋口トリーターが江之浦の映像撮影の詳細とともに書いてくれていますね。
今回は私と鈴木トリーターで逗子沖に潜り、海中映像の撮影を行ないましたので、そのようすをご報告します。

今回の潜水ポイントは、逗子沖にあるオオタカ根という海中に切り立った巨大な岩礁で、頂上付近は水深約 16m、根元付近は水深 30m近くもあります。
このポイントは、実は当館の逗子沖水槽を作る際のモデルとなった場所です。
先輩トリーターがこの場所に潜り、その環境を再現したのが現在の逗子沖水槽です。
以前からこの場所のことは聞いていたので、ぜひ一度自分の目で見てみたかった場所です。

朝の6時半、水族館を出発してお世話になるダイビングショップへ。
車の中から海を見ると、おやおや少し風があるような。
実は、最近、私が海に出ようとする日に限って悪天候に見舞われています。
今回の逗子沖に潜る前にも江の島に潜水しようと企画し、見ごと4回中止に。
この日の逗子沖潜水も、実は2回目のトライです。
ショップへ到着し、再び海を見ると、なかなかの風が。
祈るような気持ちでショップの方に聞いてみると「少しうねりはありますが、大丈夫でしょう」との嬉しい答えが!
準備をしていざ出航です。

波とうねりは少しあるものの天候は快晴、海の下にはどんな景色が広がっているのかわくわく半分と、慣れないダイビング機材に不安半分で海の中へ。
波立つ水面を抜けると、オオタカ根が足元に見えてきます。
お、大きくてすごい。
機材の不安はどこへやら、夢中になって近づいていくと表面にはヤギの仲間やウミシダなどが無数についています。
なんと見事なことでしょう。



周りにはネンブツダイやアジ、ムツの群れも多く、この根の周りが潮通しが良く、豊かな海であることがわかります。
早速近づいて調査開始です。
近くで見るとヤギの仲間はどれもしっかり活着し、流れに美しくたなびいています。



しばらくそんな景色に目をとられながら泳いでいましたが、岩の表面や隙間をよく見るといろいろな生物がいることに気づきます。
たとえば、イイジマフクロウニ。触ると危険なこのウニですが、その形の整った綺麗さから思わず近づいて写真をパシャリ。
その他にもイセエビやマダコが上手に隠れていました。



ゆっくり進んでいくと、向こう側が暗く、先が見えない場所に出ました。
そうです、ドロップオフしているオオタカ根の岩壁の縁です。
先が見えないというのはちょっと恐い感じがしますが、この先に見たかった景色があるはずです。
案内してくださっているショップの方に続いて進んでいくと、、、

見えてきました!イボヤギの壁です。



息を呑む美しさです。
こんなに多くのイボヤギを見るのは初めてで、どこを見ていいのやら。
とにかく必死で写真を撮りました。
イボヤギは岩の上に付いているものと思っていたのですが、こんな風に斜面や壁に付いている風景は新鮮で、自然界ではこういう場所を好んでいることがわかります。
きっとこの場所を潜水した先輩トリーターも、この景色に魅せられて逗子沖水槽を作りたいと思ったのかもしれません。
映像を撮影している鈴木トリーターも、大接近で撮影してくれていました。
流れに流されずにしっかりとカメラを固定している姿は、さすがショーダイバー!



トータルで2本の潜水を終え、ショップの方に感謝をお伝えして、夕方、無事に水族館へ帰ってきました。
慣れない海での潜水に悪戦苦闘ではありましたが、実際に海に出てみないと分からないこと、見られない景色、生物の本当の美しさに改めて出会えたことが今回の収穫だったと思います。
この景色を水槽で少しでも再現できるように努めていきたいと思います。

最後に、私の今回のベストショットがこちら!



撮影した映像も、編集してみなさんにご覧いただける日が来るかと思いますので、こうご期待です!

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