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 村上記者の暴走インタビューも今回でやっと最終回を迎えます。
 前回は“三沢嫌い”という衝撃のカミングアウトをしましたが、まずはその理由をお聞きください。
※構成/モバイルGスピリッツ編集部

――それって三沢さんに言ったことあります?
「いえ…今この場で謝ります。三沢さん、今まで黙っていてすいません!全て若さのせい、時代のせいなんです!」
――……。で、何で三沢さんが嫌いだったんですか?
「まあ、それだけ当時の三沢が強かったということですよ。どんな大技を食らっても立ち上がってくるし、試合後は平然と歩いているし、“この人に誰も勝てないんじゃないか?”って感じでしたからね」
――小橋選手の絶対王者時代と雰囲気は通じるものがあるかもしれません。
「今のファンからするとそうかもしれないですね」
――ちなみにベストバウトを選ぶとすれば?
「1つに絞るのは難しいですけど、あえて挙げるなら三冠ヘビー級選手権・三沢光晴vs川田利明(1994年6月3日/日本武道館)ですね」
――確かに素晴らしい試合でしたよね!
「超世代軍を抜けて三沢の前に立つことを選んだ川田ですけど、三冠に挑戦しても完膚無きまでに叩き潰されてしまっていたんですね。ただこの年の春にはチャンカーを初優勝して、“今度こそ川田が勝つんじゃないか?”というムードが漂っていたんです。実際試合でも浴びせ蹴りという秘密兵器まで披露して川田が攻め込んでいくんですが、三沢がタイガードライバー91を解禁して川田を振り切るんですよォ!!!」
――声がデカいです。
「(聞く耳持たず)なんと言っても凄かったのが、最後のタイガードライバー91。見た瞬間、川田が死んだんじゃないかと思ったぐらいエグい角度でしたからね。長年プロレスを見てきましたけど、あれほど衝撃を受けたフィニッシュはないなあ。全体的にも凄まじい緊張感があったし、もちろん感情の爆発もあったし。当時、高校生だった僕は文芸部に所属してて、部員わずか5人で定期的に小説や詩を書いて小冊子を作っていたんですが…」
――キモいッスよ!
「ええ、今じゃ恥ずかしくて読む気にもなれません(苦笑)。でも当時は思わずこの試合について書いてしまったのを覚えています。ある意味、それが僕の記者としての原点かもしれませんね」
――Gスピリッツの清水編集長や小佐野さん、珍獣・原さんなどゴング名物記者の過去に通じるようなエピソードがたくさん出てきましたが、そういった情熱が今回の企画につながっていく訳ですね。
「原記者と一緒にされるのは心外ですけど、まあ、そういうことです。三銃士の話ってよく専門誌に載りますし、書ける記者も多いですけど、逆に四天王のことを書ける人って少ないと思うんですよ。あの頃、専門誌の担当だった人もあんまりプロレス業界には残っていませんし。でも当時の試合を見てきた一ファンとしては、このまま忘れ去られてしまうのはあまりにももったいない!」
――あんまりビデオ化されてないですし、当時の全日本は鎖国でしたから、ちゃんと書ける人は確かに少ないかもしれません。
「でも実際、あの頃の全日が世界中のプロレスに与えた影響は少なくないですし、現役の選手たちだって物凄い影響を受けていると思うんですね。試合を見ていても“この人って四天王プロレスが好きなんだろうな”と感じることも多いですから。だから、もう一度掘り下げていくことはプロレス界的にも意義のあることだと思うんですよ。最近プロレスを好きになったファンも、現在のNOAHに繋がってくる話が知りたいんじゃないかなと思いますし。四天王プロレスは僕がプロレス記者を続けていく上で、大きなテーマになってくると思っています」
――今日は熱いお話、ありがとうございました。
「えぇ!?まだ“秋山vsラクロスの異常な盛り上がり”とか、“ウィリアムスvsノードが武道館のセミで良かったのか”とか、“GETとはなにか”とか、“スマザースの裏拳のフォームが微妙なこと”とか語りたいことが沢山あるのに」
――キモいんでもういいです。仕事もたまっていますし…。
「とにかく単純な名勝負プレイバックだけにはしたくないと思っているので、ぜひ楽しみにしてください!」

 さて、3週に渡ってお送りしたインタビューはいかがでしたでしょうか?お見苦しいところをお見せいたしまして、誠に申し訳ありません。
 やっと次回から本編がスタートします。お楽しみに!




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