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第19回 オールナイトニッポンとプロレスの深い関係

 学生時代からスポーツライターを志していた僕だったが、同時にもうひとつ、あこがれの職業があった。それはラジオ局、しかも深夜放送関連の仕事だ。
 学生時代から後楽園ホールに入り浸っていたが、それ以上にAMラジオの深夜放送をかじりつくように聴いていた。受験前の夏休みは毎日午後10時から午前5時まで7時間もラジオを聴いていたのを覚えている。こうなると、ラジオを聴くことが目的になってしまっていたので、勉強はまったくはかどらなかったが…。
 複数のラジオ局(AM)をうまくザッピングしていたけれど、基本的に聴いていたのがオールナイトニッポン(以下ANN)だった。ANNと言えば、Gスピリッツユーザーはピンとくることがあるはず。それは第4号で掲載されたTPGの記事。TPGという試みがスタートしたのはビートたけしのANNがきっかけだったのだ。
 ANNはそれ以降も何かとプロレス界との縁が深い。例えば浅草キッドやウッチャンナンチャンといったプロレスファンがパーソナリティーを務める番組は当時のリング上の話題で持ちきりだったし、実際に三沢光晴や石井館長、ターザン山本氏などの関係者がDJを務めたこともある。深夜3時〜5時に放送していたANN2部で加藤いずみや橘いづみといった女性アーティストがプロレス話に花を咲かせていたし、各番組にプロレスラーがゲストに来た例も何度か聴いたことがある。
 さすがに社会人になると深夜放送を聴く機会はかなり少なくなってきたが、それでも最近よく聴いているのが、くりぃむしちゅーのANNだ。昨年の9月頃から聴くようになったのだが、驚いたのがとにかくプロレスの話題が多いこと。番組の冒頭30分がプロレスの話題で終わってしまったことも多々ある。もともと「週刊プロレス派か?週刊ゴング派か?」「猪木が強いか?前田が強いか?」を討論して仲良くなったという2人のプロレストークはとにかく熱く、何を言っているのか分からない一般リスナーも、なぜかプロレスの魅力に目覚めることもあるらしい。
 そして、今週放送分では、とうとうプロレス特集を敢行した。Gスピリッツのコラムでもお馴染みのますだおかだをゲストに迎え、なんと2時間全てプロレストーク。タイガーマスクや長州力、昭和プロレスから小橋建太の復帰に至るまでマニア以外置いてけぼりの会話が展開された。途中に流れる音楽もプロレスの入場テーマ。何気なくラジオを付けた深夜タクシーの運転手さんはとにかく驚いただろう。いきなり『J』や『スカイハイ』が流れているんだから。
 今や超売れっ子のお笑いタレントがここまでプロレスを応援してくれるのはとても嬉しいことだし、プロレスに興味のない一般層に対するアピール度はそれこそ地上波放送よりも高いんじゃないかと思う。かつてプロレスを揶揄する芸能人は嫌われる風潮がプロレス界にはあったが、それも昔のこと。今やちゃんとプロレスを評価し、業界をなんとか盛り上げようとしてくれている。昨年は『アメトーーク』での昭和プロレス芸人や越中芸人が話題になったが、プロレス業界全体でそういう流れにもっと乗っていく必要があるのではないだろうか。
 幸いにも番組内でGスピリッツはかなり高い評価をいただき、ようやく自分の夢がちょっとだけ叶ったような気がして幸せな気分になった。ハッスルにも有田総統として登場したくりぃむしちゅーのANNを聴いたことのないプロレスファンはぜひチェックして欲しい。(火曜25:00〜27:00/ニッポン放送系列で全国放送中)

※今回の番組が楽しくて仕方なかったファンにとっては、今週の土曜日発売になるGスピリッツ第5号はピッタリの内容であることは間違いなし!本日中に目次を公開する予定ですので、お楽しみに!




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