(株)おめめどう
◆初めて来られた方へ◆

4.自閉症や発達障害の人にどんな支援が必要なのか 2.コミュニケーション
(2011/11/06)

 自閉症スペクトラムの人は何に困っているのでしょうか。続きです。

 次に自閉症の3つ組みの2つ目

2.コミュニケーションがとりにくい。

について考えます。コミュニケーションというのは人間対人間のやりとりです。

 3つの場面に分けると考えやすいです。(私はこれをTEACCHから学びまし た)

1.周囲から本人に伝える。(受容性コミュニケーション)
2.本人から周囲に伝える。(表出性コミュニケーション)
3.社会的なやりとり(社会性コミュニケーション)

 実は私は3.がいまいちわかってないのですが(^_^;)1.2.についてはよくわかります。

 そして1.と2.は関連はしていても、まったく別物と考え た方がいいです。

 まず自閉症や発達障害の人は「絵を見て(意味でなく色の変化として)わかる」「字を見てわかる」「単語を見て(意味でなく字の並びだと)わかる」「音を 聞いて(意味でなく音が)わかる」であったとしても、それが「何を意味するのか」がわかりにくい人たちです。

 それとともにコミュニケーションというのはやりとりですから「自分へ」とか「相手へ」とか方向性があります。

 自閉症や発達障害の人はその方向性もわかり にくいのです。

 そもそも「絵」「字」「音」などが「コミュニケーションに使える」ということがわかっておられない場合も多いです。

 で、どういうことが起こるか。「わけのわからないままわけのわからない所に連れてこられる」「何かすごく不快だ(周囲の人にはどうもなくても感覚の違い がありますからそういうこともあります)」「見通しが無いことでももっと不安」「でも『誰』に『何を』 『どう』伝えたらいいのかわからない」「どうなるのかもわからない」アッ!アッ!アッ!パニック!!!

 パニックだけならまだいいでしょう。(←よくないですが)

 これが自傷になり他害になりあるいは物を壊したり・・・「問題行動」と呼ばれるものの多くはこ うして起こります。

 3. 自閉症や発達障害の人にどんな支援が必要なのか1.社会的意味

に書いた、「時間や空間の意味や見通しが、見てわかるように伝える」というの は、コミュニケーション以前の大前提になります。

 もちろん「今までやってなかった」という時、「じゃあこれをやらないとコミュニケーション支援をしてはい けないのか」と考える必要はありません。

 とりかかれるところから始めればいいだけですが。

 ではやっとコミュニケーション支援の話です。

 3.自閉症や発達障害の人にどんな支援が必要なのか1.社会的意味の中のスケジュールの使い方で、MITECA の使い方に「本人が替えるのも簡単」と書きました。スケジュールの意味が「わかって」くれば「替えたいなあ」と思うことも当然あるでしょう。

「周囲が本人 に伝える」ことがわかってきて次に「本人から周囲に伝えよう」とし始めたわけです。

 もしそういうことが起こったら、おおいに喜んで下さい。

 もちろんいろい ろな事情で実現できないこともあるでしょう。

 その時は「見てわかるように」やりとりして交渉して下さい。

 自閉症や発達障害の人は「コミュニケーション」というものの存在そのもの、「誰に」「何を」「どう」伝えたらいいか、がわかりにくいのです。

 上記のよう な体験から「あ、こういうことをすればかなうんだ」「こういうふうにしてもらったらわかるなあ」とか成功体験・得する体験を積むことによって初めてコミュ ニケーション というものがあることに気づいていかれる場合が多いです。

 自閉症の人の自発の表現コミュニケーションのよくあるひとつにクレーンというのがあります。

 例えば、自分がジュースが飲みたい時、それが自分で直接手が 届かないけれど、他人になら取ってもらえそうな所にある場合、誰か(例えばお母さん)の腕を掴んでそっちへ連れて行き、ジュースの方へその腕を伸ばさせよ うとする。

 この時、頭の中に「ジュースが飲みたい」があると思います。

 まだはっきりとした言葉にはなっていません。映像にもなっていないかもしれません。 もやもやしたものです。

 またまだ「お母さん取ってよ」という「誰に」「どういうふうに」など細かいコミュニケーションのあれこれは育っていないと思いま す。

 そんな時に、例えば「誰かに空き瓶を渡せば、ジュースが出てくるんだ」とわかれば、その空き瓶がその人の「言葉」のひとつになるでしょう。



 そして「渡せ ば」の部分が「どういうふうに」の部分、もちろん渡す人が「誰に」の方向性になります。(これに気づかれるのはまだまだ先かもしれません)そうやって 「あっ、コミュニケーションってものがあるんだ!」と気づいていかれるわけです。

 で、とりあえずジュースの空き瓶とか「具体物」でコミュニケーションできるなら、それを確実にできるようにすればいいし、よくやられるのは「写真や絵の カード」でやってみること。



 もしそれを「誰かに渡せばジュースが出てくる」ということがわかれば、それはその人の「言葉」となります。

 そして、それを「誰か(人間)から誰か(人間)に」という方向性をはっきりさせ、「何を伝えたいか」が目に見えるようにしたものが例えば「TELCA」だっ たり「おはなしメモ」だったりします。


TELCAの場合


おはなしメモの場合(これは英語ページ用に撮った写真なので英語になってます(^_^;))

 また、自閉症や発達障害の方は「何かを選ぶ」(選択)ことがむつかしい場合が多いです。

 しかし最初は混沌としているだけで、できないわけではありません。

 まだ「選択」がむつかしいな、わかりにくな、という方 とやりとりする場合、たとえば「これからおやつの時間」という場合なら、右手にオレンジの飴、左手にグレープの飴とか持って本人さんに選んでもらうといい でしょう。

 あるいは右手にオレンジゼリー、左手にヨーグルトとか。

 いずれの場合にも、本人さんが選んで食べるなら、残ったもうひとつはあなたが食べてしま うなり、本人さんに「見えなくなる」「無くなる」というふうにした方がいいです。

 これをしないと後で残った方をまた本人さんが食べ、「結局どっちも私のも の」ということになり、「選択」ということがわからないままになります。

「何かを選ぶ」ということは「何かをしない(失う)」ということでもあります。

 この時、本人さんに「もの」を提示する方法は状況に応じていろいろあるのですが長くなるので書きません。

 このように、具体的な物で選択できるなら、「えらぶメモ」で何を選ぶか尋ねてみましょう。(注・と書きましたが、別に順番が決まっているわけではありませ ん。具体物がわからない、絵や写真がわからない、でも文字・単語の文字列だったらわかる、という人だっておられます)



 最初は2つから1つを選ぶから始めるのがいいですが、「えらぶメモの」場合は4つまで選択肢を増やせます。


4つから選ぶ

 「ある 学校生活でのおめめどうグッズの使用例」では3枚使って11の選択肢から尋ねた例も出てきます。

 こういうふうに選択肢を示すばかりでなく「こたえるメモ」や「おはなしツイン」では、書ける人なら自分で書いてもらったり、あるいは選んだ「MITECAチップ」を置いてもらったり、ということもできます。


答えるメモで書いて答える

 また、上に示した例は「書いて答える」などをしてくれていますが、えらぶメモで尋ねた場合、指でチョンと指さして くれたり、ペンでチェックを入れてくれたり、音声言語で 「ジュース」と答えてくれたり、いろんな場合があります。こちらが返答方法を押し付けるのではなく、表出性コミュニケーションの場合、本人さんがいちばん 楽なモードを本人さんが選ばれます。

 急にコミュニケーションの話の中に「選択」の話が出てきて戸惑っておられる方もおられることと思います。「自閉症や 発達障害でない人」が音声言語で話をすることを思い出してみて下さい。それは「次は何を言おう」「どういうふうに言おう」と「単語」を選択することの連続 であり、「私は◯◯がしたいのです」と選択することが意思決定そのものであるわけです。

 最近福祉の世界では「本人を中心におく」「本人に聞く」「自己選択」「自己決定」ということが盛んに言われるようになりました。それと同時に「知的障害 の人は何を考えているからわかりにくいからなあ」ということも言われます。この場合の知的障害には自閉症や発達障害の人が含まれています。

 果たして「わかりにくい」のでしょうか?本人さんにわかる手立てをとって普段からコミュニケーションしているでしょうか。確かに「まだそのようなコミュ ニケーションをやったことが無い」人であれば、自分の考えていることをどう伝えたらどうなるのかもわからず、表現できないでしょう。

 しかし、わかるやりとりを続けていれば、その人なりに明確になってきます。まずどうしたらその人とコミュニケーションできるか、やってみましょう。それ が「本人を中心に置く」生活を作る手始めです。

 おめめどうは、本人も周囲の人も居心地よく暮らせる考え方や、コミュニケーション支援・その他の支援のための商品を 提供して行きます。

※ご参考「おめめどうグッズは、どこに活かせるか」箇条書きで書いています。詳しい説明はありません。

「5.自閉症や発達障害の人にどんな支援が必要なのか 3.相手(周囲の人)が頭の中で考えていることや感情がわかりにくい」

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