視線の先に 第三章

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贔屓目でなく、いちども未舗装路を走ったことがないにしては上出来だ。

よけいなアドバイスはせずに、納得のいくまで、疲れ果てるまで走らせておくことにした。

ベランダのベンチに腰をおろして鳥のさえずりとセローの控えめな排気音に耳を澄ませていると、淑子がビールをもってきた。

私は妻と並んで座って、息子が抑えた速度で庭先を走りまわるのを見守った。


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