ところが街中をうろつく子どもたちをすべて固有名詞で呼びつづける小林さんの微細な画像を見ているうちに、彼らの無軌道な行動がしごく当然のように思えてくるから不思議である。彼らの行動を正当化するつもりはないが、批判する気もうせてくる。シンナー中毒の九歳の少年を前にして、私たちはその子自身に対して責任を問うことができるだろうか。彼が路上でシンナーを吸わなければやっていけないような状況をつくった人間のほうこそ批判されるべきではないのか。


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